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ひとつに。そして……
僕の気持ちと月華の気持ちが重なった。一度は切れていた糸が繋がり、僕たちの気持ちを結び直してくれる。
僕は糸に引かれるように、すっかり人型に戻った月華に抱きついた。
逞しい体躯がびくりと揺れる。
「月華。僕の体、熱くなってるでしょう? 僕の月華への気持ちがそうさせてるんだよ」
「俺への、気持ち……?」
わかるようでわからないとでも言うように、琥珀色の瞳を揺らす月華の頬に、そっと口づける。
「僕も同じ。月華に触れられたい。月華に……してほしい。月華を、そういう意味で好きだから……」
すり、とお腹をすり寄せた。昂った僕のものが、月華の体にこすれてさらに硬くなっていく。
「っ……毬也!」
そこからは、まるで子猫のじゃれ合い。
押し倒して押し倒されて、また押し倒される。
けれど僕たちはもう、子どもじゃない。
月華が僕に唇を重ねると、僕は月華の首に手を回して、口内を貪る舌に応えた。
帯をほどかれ、肌に手をすべらされても逃げない。すでに裸体の月華の背をぐいっと引き寄せてかき抱く。
好きってこういうことなんだ。心だけでなく、体も隙間なく寄せ合いたい。
寄せ合って、ひとつになりたいと強く思う。
「ん、月華……」
「毬也の肌、どこもかしこも真珠みたいに綺麗だ」
舌と肉球のある手のひら、尻尾を使って全身を撫でられる。体の底から湧き出る悦びは、涙となって頬を濡らした。
「涙は水晶だな……すごく綺麗だ。初めて毬也を見つけたとき、なんて綺麗な泣き顔なんだろうと思った。ひと目惚れだったよ。この綺麗な涙を俺以外に見せるもんかって、ずっと思ってきた」
ぺろり。月華が涙を拭う。
出会ってすぐから僕の涙を舐め、事あるごとにそうしていた月華。そんな秘められた気持ちがあったなんて。
「好き……月華、好き……」
「俺も、毬也が好きだ」
「あっ……」
目元にあった唇が頬をすべり、鎖骨を下りて胸の先に落ちた。一方をよじられ、一方を口の中に含まれて舌で転がされる。
軽くかじられると、お腹の奥にきぃんと痺れが走った。
「ここ、すごく濡れてる。俺で感じてくれてるんだな。嬉しいよ」
「は、あぁん!」
胸先を含んだまま言われ、昂ったものの先端を親指でこすられる。ぬめった感触が自分でもわかった。
月華は濡れそぼった僕の昂りを緩く上下しながら、尻尾で孔を撫で拡げてくる。
「ふぁ……全部一緒にするの、駄目ぇ……変、変になるから。頭、溶けちゃうからぁ」
体を蕩けさせるような甘い疼きが全身に広がり、思考を奪っていく。
頭の隅で「月華は大輪だから相手を気持ち良くさせるのが上手なんだ」とやきもちを焼きかけたけれど、すぐに流れていった。
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