飛行艇

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飛行艇

友人から又聞きした話を確かめにインドネシアに行った。 終戦間際に ここに残っていた 一機の飛行艇に興味があった。 ベテランの海軍特務少尉が機長の 九七式四発大型輸送飛行艇。 この頃は、この機体しか生き残りが居なかった。 この機体で金塊や宝石類が日本に輸送されて 無事に到着している。 この時の トラックの荷台から小舟に移し 飛行艇に積む前に 小さな宝石類の入った箱を 一個だけ素早く持ち上げて その場をドロン!した。 最近、ドロンに必要な、 百均店で購入していた おもちゃgunの火薬弾が 不足気味なので 又、大量に大人買いをしてきた。 海軍水兵の作業着衣装だったし 夜間だったので暗くて 顔が見えなかった。 金塊の箱は重すぎる。 宝石箱も小さい割には かなり重量があったが 一人で箱のまま、おもちゃgunを一発空に鳴らして消えた。その場に居た 他の兵隊達が 一瞬明るくなった現場の中で 自分の姿が闇に消えたので、 驚いた顔付きをしていた。 しかし、人が消えた事を 誰も上官に言わなかったらしい。 横浜の基地に 無事に到着した機長は、 何も知らされていない。 当時は、敗戦続きで 逃げる事で頭が一杯の為だと思った。機長の巧みな操縦と 強運のお陰で 最後の、重要な便乗者達[博士や高級士官]も 日本に無事に帰国出来ている。 この金塊や宝石類が 戦後の日本の色々な事に 役にたったみたいだ。 チビリチビリと宝石を売って 地味な生活の足しにする。 目立つ生き方は、 アウトになる。 本物の超能力者や 霊能力者は 地味で目立たず 気配を意図的に消しながら 暮らしている。 誰も見抜く事は出来ない。 同じ能力者にしかわからない。 日本人がメインで 日本にしか住んでいないみたいだ。 この飛行艇の機長も、たぶん同類の一人で わざと、知らんぷりをしていた様な感じがした。 故に、不死身の海軍特務少尉に 改めて敬礼。昼間、彼に初めて会った時、 きちんと彼の眼を見て敬礼していた。 その時に、 テレパシーで 「よくきたね。」と言われた 様な気がしていたのも 思い出した。 現代の日本人の超能力者も 掃除のおばちゃん、 農家のお爺さん、 バスの運転手 皆が、偶然、街で遭遇しても テレパシーで挨拶する位で 知らん顔でスレ違う様な感じがする。 金持ちに、関心がない。 自分は、まだまだ修行が足りないので 物欲が消え無い。 但し、地位と名誉には関心が 薄くなって来た。 ボランティアの特殊能力の人達に 間接的に救われている事に 感謝感激して毎日を生きている。
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