義烈空挺隊

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義烈空挺隊

沖縄の飛行場に、一機だけ胴体着陸に成功した 義烈空挺隊員の戦闘場面を見たくなって行ってみた。 一応、陸軍歩兵少尉の衣装を着る。 胴体着陸する予定の滑走路近くの藪に隠れて待つ。 回りは、飛行場管理の米兵だらけだが、 灯台もと暗しの状況。 ものすごい対空放火を縫って 一機の九七式双発重爆撃機が、 滑走路に、火花を散らして 滑りこんで来た。 機体が停止すると同時に 空挺部隊独特のヘルメットを被り、軍服に迷彩色を塗った 現役で筋肉質の若い日本兵達が 機体から飛び出して来た。 パイロットも武装しながら 操縦席の天窓を上げて躍り出る。 アッと言う間に、 近くに駐機している、F4Uコルセア戦闘機やダグラス双発輸送機を 手榴弾や対戦車用棒型爆雷で 効率的に破壊していく。 プロの技だと思った。 米兵が、反撃して来る。 一人の日本の空挺兵が、 自分の近くに来た。 思わず立ち上がって 手招きをする。 彼は、直ぐに日本軍だと気が付き こちらに走って来た。 若い伍長だった。 少尉の自分に敬礼する。 その時、五人の米兵が、 M1カービン銃を持ちながら走って来る。 立って話していた自分達を見付けて 立ち撃ちをしてきた。 自分達は、 素早く地面に伏せた。 米兵達の撃つ弾丸は自分達の頭上を抜けて行く。 「パン!パン!パン!」 「ヒューン!ヒューン!」 空挺伍長は、 伏せたまま 米兵達目掛けて 百式機関短銃を右から左に 引き金を引きっぱなしで 一弾倉空にした。 初速が速い「タラーーーー!」 アッと言う間に、五人の米兵は 戦死した。 8ミリ南部拳銃弾を三十発装填している バナナ型弾倉を素早く交換する。 空の弾倉は、捨てないで 弾帯に又仕舞う。 沖縄に未だ支給されていない 日本の新型のサブマシンガンの 弾倉が、補給されない事を 良く理解しているから。 彼に、現代からコピーして持って来た 首里の第三十二軍司令部の場所を記している地図を持たして 攻撃報告に行かせた。 他の空挺隊員達は 全員、基地米兵達と撃ち合いになっている。 米兵達は、本職では無い 整備員やパイロットやコックや衛生兵達みたいだったが、 多勢に無勢で、空挺隊員達の弾丸切れと共に 全員玉砕していた。 若い伍長が、無事に 司令部にたどり着く事を願いながら 戦死した米兵のM1カービンの空の弾倉を素早く拾って持ち帰った。銃剣も次いでに 鞘ごと数本。 ただでは帰らない。 米軍の天幕の中に積んであった 携帯レーションの箱もいただく。 この当時の食べられる食料は マニアに高く売れる。
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