空腹巫女と就活霊

1/19
36人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
「あー、お腹空いた」 そう吐き出す様に呟きながら、通い慣れた池袋(いけぶくろ)駅の地下道を歩く私。 私の名前は、有田(ありた) 奈月(なつき)。 就職4年目、現役社会人の26歳。 至って普通の、何処にでもいるOLだ。 今は、池袋にあるオフィスから、自宅である中延(なかのぶ)にある蛇姫(へびひめ)神社に帰路を急いでいる真っ最中である。 ちなみに、勤務時間は朝9時から夕方18時まで。 ただし、今日は繁忙期で残業があった為、現在の時刻は19時を丁度まわったところである。 19時と言えば、ちょうど夕飯時だ。 (美味しそうなラーメン屋さんも多いし、今夜はこっちで食べて行っちゃおうかなぁ) 地下道に軒を連ねるラーメン屋を横目で見ながら、胸中でそう呟く私。 池袋駅の地下道は飲食店が非常に多く、抗いがたい誘惑が満載だ。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!