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こうして、徹夜での面接練習を何日も繰り返した後、最終面接という名の決戦に望む私と就活霊こと小川 美々。
ちなみに、美々本人が恥ずかしくてどうしても嫌だということで、3社目だけは練習はおろか、企業名すら聞けなかったのが不安ではあるが。
まぁ、本人の希望だから仕方ない。
ともあれ、出逢ってから2週間後。
私達は、1社目の最終面接に向かった。
相手は、超大手グローバルショッピングサイト運営企業で、面接会場は本社オフィスのある六本木ヒルズである。
(ぅぉぉ……こんなキラキラした空間、来た事ないぞ)
幽体離脱した状態で美々に付き添いながらも、先ずは場所自体のキラキラっぷりに言葉を失う私。
エスカレーターで擦れ違う人々もセレブな雰囲気がしており、場違い感が半端ない。
(実体じゃなくて良かった)
こんな場所、もし普通に来ていたら、あまりのキラキラっぷりに私は心をやられていただろう。
到着したオフィス自体もお洒落で、面接官の女性はモデルの様なハイセンスさだった。
(いやいや、此処で働くって相当勇気いるだろ)
美々曰く、給料がめっちゃ良いんです!とのことだが。
正直、もし自分が毎日こんなキラキラした人達に囲まれていたら鬱になってしまうかもしれない。
(だって、絶対比べられるでしょ)
なんかとっても疲れそうだと思うのだが。
しかし、目の前の美々は、思っていたより楽しそうに面接官と話していて――。
(意外と、こういう空間が平気なのか……?)
私が感心しながら見ていると――途中から、何やら美々の顔色が変わって来た。
よく聞いてみると――。
英語だ。
面接官が流暢な英語で美々に話しかけているではないか。
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