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山々が赤く染まる頃、女の人は人の願いを叶える事を嫌がる様になりました。
自分のやっている事は正しい事なのだろうか。
星すら見えない真っ暗な夜空は何もこたえてくれません。
その時勢いよく風が吹き荒れました。
その風で夜空をおおっていた厚い雲が動いたのでしょう。まんまるな橙色の月が顔をだしました。
橙色の月はうっすらと柔らかい光を放っています。
今まで暗闇で見えなかった景色がその光でぼんやりと照らし出されました。
女の人の目には、その淡い景色がとても清らなものに映りました。
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