私が死んだ訳

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「何故、石川 麗華さんを刺したのですか?」 取調室の机の体面に座った少し年配の男性刑事が千颯に問いただすと、千颯は静かな口調で、 「私の好きな人を奪われたと思ったからです。」 と答えていた。 その言葉を聞いた私には、思い当たるふしがなかった。 「好きな人を石川さんに奪われたということですね!  どうして奪われたと思ったのですか?」 さらに刑事が聞くと千颯は、 「大学の学食で2人が仲良さそうに食事していたり、授業が終わってから一緒に帰る姿を見たからです。」 と答えていた。 「その好きな人というのは、誰ですか?」 刑事が聞くと千颯が、 「『山崎 雄絆(やまざき ゆうき)』です。」 と答えていて、私は大きなショックを受けた。 「山崎君とは、お付き合いしていたのですか?」 刑事の質問に千颯は、 「はい、半年程前に雄絆に告白されて、付き合っていました。」 と答えた。 「山崎君ではなく、石川さんを恨んだのは何故ですか?」 さらに刑事が問いただすと、 「私と麗華は親友です。  麗華は私と雄絆が付き合っているのを知っています。  それなのに私から雄絆を奪って…  許せなかった。」 と少し強い口調で話した千颯の目からは涙がこぼれ落ちていた。
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