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え?猛男?…あいつはダメだ
和ちゃんを守るんだって俺の方が頼り甲斐があるってもんだ。なあ?和ちゃん」
和子「はいはい、お2人ともありがとうございます。じゃあ、ひとつお願いしちゃおうかな、町内会長と元警察署長さんに」
布袋爺「なに?お願い?ああ、和ちゃんのお願いだったらなんでも。どうぞ、どうぞ」
寿老爺「ダメ。布袋爺なんか。元より現役。俺が聞くよ。俺に云って」
和子「そう?じゃあさ、さっき話聞いてたでしょ?困子小母さんの。お2人で猛男小父さんに意見してやってよ。あんまり飲み過ぎるなって」
布袋爺、寿老爺「え?猛男?!」
和子「そう。困子小母さん、本当に困ってるから。ねえ?」
寿老爺「いや、猛男は…あいつはダメだ。ありゃ飲んだら気違いになるから。そればっかりはこっち、警察の旦那の方がいい」
布袋爺「おいおい、元より現役じゃねえのかよ。ったく……いやあ、和ちゃん。わしももう72だ。さすがに無理は効かん。猛男の酒乱ぶりには歯が立たないよ」
和子「そう?……そっか。じゃ、いいわ。あちしが今度云ってあげるよ、猛男小父さんに」
寿老爺「おいおい、和ちゃん……それは止したほうがいいよ」
この辺りで舞台上手側、和子宅内で母・為子が風呂の戸を開けて出て来、左側の台所で勝手仕事を始める。
和子「だってさあ、困子小母さんがあんまり可哀そうだし、それにゴン太だって……」
布袋爺「いやな、和ちゃん。気持ちは分かるが他人の家にあんまり首を突っ込まない方がいい。な?悪いことは云わないから。(寿老爺に)それはそうともうそろそろ良夫さんが帰って来る頃だ。また勝手に涼み台使いやがって……なんて顔されたら叶わん。もうお暇しようか」
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