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男の三輪車
為子、2Fへの階段下まで行く。
為子「ほら、和子。晩ご飯あがりな」
和子「(2Fから)はーい」
風呂場の中から良夫が叫ぶ。
良夫「おーい、母さん、為子。助けて―っ!」
為子「うるさいわねえ、さっきから。何が助けてなのよ(そう云って風呂場の戸を開け、中を見る)」
良夫「あ、為子!助けてくれ。ふ、風呂の中に誰か居るんだ。お、俺を引っ張り出してくれ」
為子「え?誰か居る…?誰か居るって、あんたのほか誰も居やしないじゃない。だいじょうぶ?あんた。じゃ先に晩ご飯いただいてるわよ。ゆっくり浸かってなさいよ」
良夫「ま、待って!ほ、ほら、俺の右左に誰かが入ってるんだ。な?だから引っ張り出してくれよ、俺を。俺こわいよ」
為子「まーたっく。そんなに云うんなら観客の皆さんに見てもらいなさいよ。戸を外してやるわ。どーこいっしょ」
為子、風呂場の戸を2枚とも外す。中が客席から丸見えになる。3人、風呂に浸かっている。
良夫「(為子と観客に悪魔と天使を指差しながら)ね?いるでしょ?」
悪魔「(ピースサインをしながら)ピース、ピース」
天使「本邦初公開、男の三輪車ずら」
和子、2Fから降りて来る。
和子「あら嫌だ。お母さん、何してんの?風呂の戸を外したりして……(中をちょっと見てから)お父さんったら、戸を閉めて入ってよ。(左手を顔の横に翳して)嫌だ。見たくない」
良夫「何が見たくないだ。和子ーっ!助けてくれーっ!」
為子「うるさいわねえ、まったく。出たけりゃさっさと出なさいよ。もう行くからね」
良夫「待って。ま、待っ…むっ(風呂から出ようとしたが肩を抑えられる)」
為子、2Fへの階段下まで行く。
為子「ほら、和子。晩ご飯あがりな」
和子「(2Fから)はーい」
風呂場の中から良夫が叫ぶ。
良夫「おーい、母さん、為子。助けて―っ!」
為子「うるさいわねえ、さっきから。何が助けてなのよ(そう云って風呂場の戸を開け、中を見る)」
良夫「あ、為子!助けてくれ。ふ、風呂の中に誰か居るんだ。お、俺を引っ張り出してくれ」
為子「え?誰か居る…?誰か居るって、あんたのほか誰も居やしないじゃない。だいじょうぶ?あんた。じゃ先に晩ご飯いただいてるわよ。ゆっくり浸かってなさいよ」
良夫「ま、待って!ほ、ほら、俺の右左に誰かが入ってるんだ。な?だから引っ張り出してくれよ、俺を。俺こわいよ」
為子「まーたっく。そんなに云うんなら観客の皆さんに見てもらいなさいよ。戸を外してやるわ。どーこいっしょ」
為子、風呂場の戸を2枚とも外す。中が客席から丸見えになる。3人、風呂に浸かっている。
良夫「(為子と観客に悪魔と天使を指差しながら)ね?いるでしょ?」
悪魔「(ピースサインをしながら)ピース、ピース」
天使「本邦初公開、男の三輪車ずら」
和子、2Fから降りて来る。
和子「あら嫌だ。お母さん、何してんの?風呂の戸を外したりして……(中をちょっと見てから)お父さんったら、戸を閉めて入ってよ。(左手を顔の横に翳して)嫌だ。見たくない」
良夫「何が見たくないだ。和子ーっ!助けてくれーっ!」
為子「うるさいわねえ、まったく。出たけりゃさっさと出なさいよ。もう行くからね」
良夫「待って。ま、待っ…むっ(風呂から出ようとしたが肩を抑えられる)」
【為子のイメージ。いらすとやさんからお借りしました】
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