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「ねえままー!ちゅーしてるよー!」
……やばっ!咄嗟に唇を離したそうちゃんと顔を見合わせて二人して固まる。
「け、けんた!ちょっ……行くよ!」
「えーなんで?ぶらんこもっかい……」
「いいから!今日ハンバーグね!」
「やったあハンバーグ!」
可愛い声と焦り気味のお母さんの声が遠のいた。
「そうちゃん」
「……俺ん家、行く?」
「そうしようか」
立ち上がった彼が私に手を差し出す。夕陽をバックに王子様ポジション。そうちゃん、狙ってやってる?似合い過ぎて悔しいくらい。
手を重ねて、指を絡めとられて。そうちゃんと手を繋ぐのも、その腕にくっついて膨らみを押し付けるのも久しぶりだ。
「ももちゃん、今、そんなんされたら……?」
「されたら、何?」
「……何でもない」
上目遣いと胸の押し付け攻撃の合わせ技。そうちゃんは面白いぐらいにまっすぐ喰らってくれる。
そうちゃんと戻れた今、手持ちの全ての技をそうちゃんに使いたい気分だ。部屋に行ったら、きっと抱かれる。今日は私から、ご奉仕してあげてもいいかもしれない。
「そうちゃん待って」
「ん?」
「ちょっと、お母さんにLINEしとく」
「遅くなるって?」
「ううん。明有花の家に泊まるって言っとく」
形の良いアーモンドアイが見開いた。
「今日はずっといよう?いいでしょ?」
「ももちゃん……俺、家まで我慢出来るかな」
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