あなたの知らない、新しい私に

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「──白雪、悪いが今日って入れるか?」 「えっ……と、ちょっと、お待ちください」 ええとええと?今日はバイト無かった日だけど、急遽誰か入れなくなって今ピンチってことだよね? サークルのミーティングが終わったところだった。この後移動して、みんなでご飯を食べに行こうか、というところだった。今私がいる場所からロミオまでは1時間以上移動に時間がかかる。 「今近くにいないので、着くの19時ちょっと前になっちゃいますけど」 「ありがとう!助かるよ」 通話ボタンをタップして電話を切った。 「桃歌、電話どうした?」 「持丸先輩、私今からバイト入ることになっちゃいました」 「ありゃ。誰か急病かな?」 「理由は聞いてないですけど。多分そうかもです」 「しょうがないね。バイト先に恩を売っておくのも大事だよ」 「すいません、今日は帰ります」 「うん。気をつけて」   車持ちの先輩に乗せてもらって近くのファミレスに行こうとしていたところだった。他の人達に挨拶できないけど、しょうがない。 「えっ桃歌ちゃん帰るの?」 「急にバイト入ることになっちゃって」 北山先輩が駅に向かう私を呼び止めた。このサークルではリーダー的な役割をしているっぽい先輩だ。 「駅まで送ろうか」 「いえ、みんなファミレスに移動してますし。先輩遅れちゃうんで」 「車だから大丈夫。ほら、乗って」
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