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そう言うと東雲くんは『すごいね、若葉さん』と感心した顔をする。
「魔術の家系じゃないのに博識だね。もしかして本当は何かの魔術を……」
「いや、ただの中二病だから」
「ふうん…?
まあ厳密には錬金術のプリマ・マテリアとはちょっと違うけどそれは置いておいて」
東雲くんがまっすぐわたしを見つめる。
黒い目。
だけど……ちょっとだけ金色の光がチラチラしているように見えた。
「若葉さんが言ったように、ねるねるねーるねに例えたら、作るときはお皿とスプーンがいるよね。それに当たるのが魔術道具」
「魔術道具」
わたしのオウム返しに東雲くんはうなずく。
「うん。これは本当に色々あって、魔術士によって違うんだけど、俺は魔法陣や呪文を使っているんだ。この魔術道具を介して、俺達はプリマ・マテリアを操り、魔術へと変換する」
「………」
ああ、ヤバい。
どこまで本当かわからないのに。
東雲くんも昔のわたしみたいに妄想を話しているだけかもしれないのに。
ワクワクがとまらない。
「し、東雲くん…っ」
グッ、と両手を握る。
かすかに手汗が滲んでいるのがわかった。
心臓もドキドキ速い。
「も、もし良ければ……ま、ま、
魔術を見てみたい…っ。見せてほしい!」
気づけばそう言っていた。
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