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「どうして?」
「えっ、だ、だから、わたしはずっと魔法とかが好きで……」
「いや、違うんだ。
……若葉さん、どうして信じてくれているの?俺の言うこと」
「………」
「魔術士であることを隠す必要はないと教えられてきた。実際、百年前くらいまでは普通に共存していた地域もあったらしいし。
だから俺は聞かれたらそのまま正直に答えていたし、これからもそうするつもりだよ」
昨日、柳さんが言っていた。
東雲くんはクラスメイトに魔術書について聞かれ、『自分は魔術が使える』とハッキリ応えた…と。
そしてそのせいで彼は決定的に浮いた存在になってしまったらしい。
「でも今まで誰に言っても信じてはもらえなかった。それも当然だと思う。俺自身、手品と大差ない魔術しか使えないし」
「………」
「でも若葉さんはこうして真剣に聞いてくれるよね。いくら魔法や魔術に興味があるって言っても、現実でそれを受け入れるのはまた別だろう?
俺の言う事をどうして信じてくれるの…?」
「それは……」
わたしだって最初から完全に信じていたわけじゃない。
というか、たぶん今でも疑う気持ちがないと言えば嘘になる。
それどころか東雲くんに関わるのはやめようと思っていたのだ。
でも……
「それは東雲くんが真剣に話しているからだよ」
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