【才能】か【反則】か

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ひらひら ひらひら 蝶々は頼りなく空を飛び、わたしたちを誘う。 今にも消えそうな頼りなさはあるが、一応目的地についてはハッキリとしているらしくその点では迷いなく飛んでいく。 階段を下り、渡り廊下をとおり、そして… 渡り廊下の途中で消えた。 「あああああ!!!」 「駄目だったああ!!」 わたしと東雲くんは廊下で膝をつく。  東雲くんに至っては頭まで抱えている。 「ごめん…若葉さん。俺がヘッポコだから」 「そ、そんなことないよ。ここまで来れたんだから、あとは自力でなんとかしよう」 渡り廊下を通っていたのだから、普通に考えたら向こうの校舎に行くはずだ。 あっちにあるのは、保健室や美術室、あと理科室もある。 それか途中で渡り廊下をぬけ、グラウンドに出たのか。 今、サッカー部とバスケ部が練習している。 また緑のガードフェンスに囲まれて、テニスコートも存在している。 そこではもちろんテニス部が練習の真っ最中だ。 テニス部…… にはいないよね。昨日あれだけもめていたし。 実際、目を凝らしてテニスコートを見ても、伊予くんの姿は見つけられなかった。 それはサッカー部や野球部も同じだ。 じゃあ、やっぱり校舎の中か。 保健室、理科室、美術室…… 美術室。 ……光井さんいるかな。 もしかしたら偶然見かけたりしているかもしれないし、話を聞いてみよう。 そう東雲くんに提案し、わたしたちは美術室へ向かった。
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