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言いかけたところで目が覚めた。ベッドにはいるはずの恋人がいない。机の上に
「さよなら」
の一言だけかかれた置き手紙があった。それから彼女とは連絡を取っていない。しばらくしたあと、知人から彼女が自ら命を絶ったことを知った。あのやりとりが夢だったのか、最後の会話だったのかはわからなかった。
このもぐらはたまたま外に出てきてしまったのだろう。僕の知らないところでもぐらたちは死に、土に還っていく。それでも彼女はもぐらになりたいと言った。彼女にとってこの世界は眩しすぎたのだろうか。
「寂しいと思うよ」
そう、ひとりごちてもぐらを埋めてやった。
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