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「何故、君の口から言えないんだ?
秘密にしないといけない事なのか?」
と、私はイラだった。
「別に秘密にしなければいけない事では無いのですが・・・・。そんな事はどうでもいいじゃ無いですか。」
と、言葉を濁した。
私は、相手の立場を尊重してそれ以上の追求はやめておいた。
「そんな事よりも、今からどの様にしますか?
最初にどこに行きますか」
と、天使は聞いてきた。
「先ずは、あの刑事だ。あの無能で悪徳刑事。
奴を呪う。奴の所に行こう」
「それよりも、貴方!あなたが冤罪ならば、
真犯人を知りたくは無いのですか?」
「真犯人?そんな者今さら知ってどうなる!
そんな事よりも復讐だ。」
と、苛立つ俺を諌める様に天使が言う。
「復讐はいつでもできます。と言うか、
貴方がその男に取り憑けばいいだけですから。でも、事件の真実の解明は、そう簡単には出来ません。でもこの解明をしなければ、貴方は悔いを残すでしょう。」
「悔いを残す?そんな物どうでも良いよ。
もう俺は死んだのだから。死んだ俺に後悔など無いよ。」
と、熱っぽく言った。
「貴方がそれほどまでに言うのなら仕方無いですね・・・・。諦めます。
では、あの刑事の元に行きますか!」
俺は天使に導かれ、あの刑事の上に行った。
馬鹿刑事の名前は高田潤。
小太りの中年男だ!
顔はあんぱんマンの様に丸顔だが、根性は腐っている。
私が、どの様な事件を起こしたか、
ここで紹介しよう。
十年前、私はある女性と付き合っていた。
その女性の名は石田利智子
可憐で儚げな人。
容姿は目元はくっきりとして二重。
鼻筋もスッキリとしていた。
理知的な表情。
細身のボディー。
身長は160cmぐらい。
私は、最初に出会った日から彼女に惹かれた。
そしていつしか二人は恋人同士となった。
だが、彼女には元彼がいた。
彼からの嫉妬、束縛、暴力に対して
我慢出来ずに別れたが、その男は、
執拗に彼女を着けまとった。
その男の名は山田洋次。当時23歳
色白で精神を病んでいるのか?
急に凶暴な男に変化する。
私が、殺人犯と見なされたのは、
私が山田洋次をナイフで殺し、
それを発見した住民をも殺した、
と言う容疑からだった。
ナイフには私の指紋がくっきりと付いていた。
殺す動機もあり、全ての状況が私を犯人に仕立ていた。
私にはアリバイもなかった。
私は裁判中無罪を主張したがダメだった。
そして死刑が確定した。
私は、子供の頃から両親に虐待を受けていた。
少年の頃からグレ出し
喧嘩、万引き、あらゆる悪事を働き
少年院に厄介になった。
だが、殺しは一度もやっていない。
今回の事件もそうだ。私は殺しなどやっていない。
だが、世間の風は物凄く冷たく、
私の事などどうでも良いかのように
死刑を確定させられた。
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