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不埒な悪行三昧
「いやいやァ、いつの時代よ。不埒な悪行三昧って」
すぐさまアンジェラがツッコんだ。
「だけどおかしいだろう。エッチしてないのに子どもが出来るはずはないんだけど」
ジャスティンは首を傾げて少し不満げだ。
「なによ。じゃァ私がウソをついたって言うの。悪の秘密結社ギルディアの娘はキスをしただけで、子どもが出来てしまうほどデリケートな存在なのよ」
「いやいや、いくらなんでもそんなはずは」
「お待ちなさい。アンジェラ!」
病院長の織田マリアが口を挟んだ。
「えッ、なによ。お母さん?」
「あなた、ちゃんと妊娠検査薬を使って調べたの」
「だってお腹が張るし、ツワリもあるから」
アンジェラは唇を尖らせ不服そうに応えた。
「ううゥン、わかったわ。取り敢えず、検査しましょ。診察室へいらっしゃい」
病院長の織田マリアはアンジェラを呼んだ。
「……」アンジェラはムッとして仕方なく病院長である母親の後についていった。
院長室には首領のベガらギルディアの面々とジャスティンだけが残された。
ベガは正義の味方を憎しみを込めた眼差しで睨んだ。
『ジャスティン。断っておくが、お前には絶対にアンジェラを渡さんぞ』
「だけどですねェ。お義父さん」
『やかましい。お義父さんじゃない』
「こうなったら、オレも正義の味方みたいな反社的な商売から足を洗って、アンジェラのために真面目なサラリーマンになりますよ」
『やかましい。正義の味方をしてきたお前を信じられるか。ひとたび正義の味方をしたヤツは骨の髄まで腐っておるんじゃ』
「そんなムチャクチャな……」
『我輩のように由緒正しき悪の秘密結社に属してないモノなど信じる事が出来るかァ!』
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