悪の秘密結社

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悪の秘密結社

「いやいや、由緒正しきって。悪の秘密結社でしょ。貴族じゃないんだから!」  ジャスティンはツッコんだ。 『やかましい。本来ならここでお前の息の根を止めてやるところだが、別れた妻の病院内で闘うワケにもいくまい。マリアと約束したんでな』 「そりゃァ、オレも同感だ。患者らの迷惑だからね」  ジャスティンも肩をすくめうなずいた。 「そうですよ。閣下。だいたいわが軍の怪人はことごとくジャスティンにボコボコにされて誰ひとり残ってないんですから」  側近の星優真は嘆いた。 『うるさい。どうにも我輩はジャスティン(おまえ)の事が気に食わん。そのお前が我輩の愛娘のアンジェラにキスをするなど、(もっ)ての(ほか)なのじゃァ』  首領はジャスティンを怒鳴りつけた。 「ううゥッ、だけど」  いつまで経っても二人は平行線を辿っていた。  そこへドアが開き、病院長の織田マリアと共にアンジェラが院長室へ戻ってきた。 「どうだった。アンジェラ?」  すぐさまジャスティンが駆け寄ろうとするが二人の仲を首領が割り込んだ。 『どうじゃァ、何があろうと我輩が責任を取る。結果は?』 「それが……」  アンジェラは視線を逸らし言葉を濁した。
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