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出来ちゃった結婚する気
すぐに首領たちは院長室へ通された。
首領の他、娘のアンジェラとジャスティン、そして側近の星優真だ。
「なんなの。こんなに物々しくギルディアの戦闘員たちを引き連れて。離婚した時にちゃんと約束したでしょ。診療時間は病院へ来ないでと。入院中の患者さんたちの迷惑なんだから、とっとと引き返しなさいよ」
院長の織田マリアは首領ベガをアゴで指示した。自分の意見はハッキリ言うタイプだ。美しいが気性はかなり荒そうだ。
『いや、悪かったよ。マリア……』
悪の首領は済まなそうに頭を下げた。
首領は前妻にも頭が上がらないようだ。
「お黙り。離婚したんだから、いつまでも私の事をマリアって呼び捨てにしないで」
『ぬうゥッ、済まなかった。だが今回はアンジェラの事で、ちょっと相談が……』
「相談って。アンジェラが、どうしたって言うのよ?」
マリアは娘とジャスティンを見つめて訊いた。
「別に」
アンジェラはふて腐れたようにそっぽを向いた。ずっと隣りのジャスティンと腕を組んだままだ。
「フフゥン、まさか、アンジェラ。そっちのイケメンさんと『出来ちゃった結婚』する気じゃァないでしょうねェ?」
織田マリアは冗談交じりにアンジェラに確かめた。
「うッううゥ……!」
少しアンジェラは動揺し呻いた。
「あらあらァ、マジで?」母親のマリアは苦笑した。
「あッ申し遅れました。お義母様でしょうか。オレは正義の味方ジャスティンです」
意外と丁寧に自己紹介した。
「フフッ、お義母様じゃなくって、マリアとお呼びなさい。ジャスティン」
マリアはセクシーに笑みを浮かべた。
「はァ、マリアさんですか?」
「フフッ、やっぱ一緒に暮らしていなくても母娘ね。私同様にイケメンが好みなのね。アンジェラも」
マリアは正義の味方を見つめて微笑んだ。
『いやいや、決してジャスティンはイケメンではない!』
すぐに首領のベガは何度も手を横に振って否定した。
ジャスティンがイケメンと呼ばれて、首領は納得出来ないようだ。
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