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VSオデル⑦
オデルの巨根のくすぐりと言葉の惑わしに、心揺れつつ、奥歯を噛みしめる。
快楽に溺れて、我を失いそうなところ、ぎりぎりで踏んばれていた。
俺の意識の半分が「これは夢」とまだ傍観者でいられたから。
他人事のように犯される自分を眺める俺は、オデルの言葉を真に受けず。
だって、勇者以外とセックスしたくないと思わない。
たしかに男とのセックスに目覚めてからは、くるもの拒まずな、ふざけた姿勢でいた。
正直、魔物や人に強姦されるのも、どこか満更でもなく、やだやだあんあんしつつ「不可抗力だから、しかたない」と消極的で。
ただ、格闘家に対してはちがう。
「前世の恋人の当てつけに」と口実もできたことから、自ら望んでセックスを。
となれば、オデルの言い分「転生して男が恋愛対象と気づき、本命以外、セックスしたくなくなった」は当てはまらない。
格闘家は勃起可で、女全員は勃起不可の理由も「一途だから」で説明がつかない。
やはり、前世の恋人が口にした「私以外の女の子に反応しない体になったらいいのに」が呪いになって、俺の身にふりかかったとしか。
それに勇者がスキなら逆に「俺以外とセックスしないで!」と求めそうなところ。
宿で隣室から、白魔導師の(と思っていた)さんざん喘ぎを聞いても、すこし心を軋ませただけで、隣室に殴りこみにいったことはなし。
独占欲や嫉妬がないというか、前世の俺は、ほぼ恋人に合わせてたから。
相手が浮気OKのセフレの関係を望むなら、そのつもりで。
相手が真剣交際の形にしたいなら、そのつもりで(後者が前世の恋人だ)。
俺は、自主的に相手になにかを求めはしない。
セックスしたいと思った相手に、その気になってもらうために、なんでも従う。
セックスを目的に恋愛ごっこしていただけで、幼いころも、その傾向があったような。
だとしたら、初恋もまだかなのもしれない。
で、よりによって、転生してから初恋したというのか。
とはいえ、ぶっちゃけ、前世の恋人の呪いがなければ、俺は勇者に恋をしなかったと思う。
人生を持て余しての暇を、前世から趣味のセックスでまぎらわしていた。
今世でも、同じように暇つぶしをしていたら、どうなっていたか。
俺が女遊びをやめてから、アプローチした勇者は、それまでは、きっと諦めていたはず。
フェラされなければ、俺もとくに意識しなかったはず。
前世でできなかった初恋を、転生して、あらためてできたのは、俺にとってワルイことではないだろう。
しかも、天下の勇者さまと両想いとなれば、文句なし。
でも、勇者がかわいそうだ。
前世の恋人に呪われた俺に愛されるなんて。
「は、ああ、お、俺だっ、てえ・・・ん、くう、はあ、純、粋に、スキ、に、ひあ、あん、あ、なりた、かった、あ、あう、あん・・・」
オデルの巨根の焦らしに、あんあん悶えつつ、そう呟いたら、二つとも、ぴたりと止まって。
「へ?」と思う間もなく、後ろから突っこまれ、抜きかけのところで、前から突っこまれて。
さっきより性急につぎつぎと突きあげられ、呼吸もままらないほどイキっぱなし。
「ああう!あ、あん、あん、ら、め、らめ、うあん!は、はあ、はうん、はあん、ばあ、ばかあ・・・!ああ、ああ、あう、ああうん、あっふう!」
あまりに、せっかちに巨根が押しはいってくるものだから、入り口付近で抜くのと、入るのと二つが擦れることも。
その一瞬の二輪挿しのときに、ほぼ同時に射精。
消火のためホースから放水をしたような、凄まじい量と勢い。
腹の破裂どころでなく、体全体が風船のように割れる錯覚をしたが、それも悪夢の変換がされ「ああ、こんな、いっぱあい・・・・」とうっとりと、とことん快感に酔いしれる。
まあ、さすがに負担がひどくてか、もしくは夢の終わりだからか。
頭をくらくらさせるまま、意識を遠のかせていって。
夢か現か知れずぼんやりしていたところ、オデル二匹のやりとりを聞いたような。
「まったく、聞いていた以上に強情で手を焼いたのう。
やっと、多少は本音をこぼしおって。」
「まったくよ。
こやつなら二輪挿しをしても白状しなかったかもしれん。
まあ、これで魔王さまによい報告ができるのだから、助かったわい」
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