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そんなことを考えていたら、
「マザー・モウ。メイを殺したのはきみだね?」
しばし沈黙していたソラが、私に問いかけてきた。私がしたことに気がついたようだ。
私は小さく首を縦に振った。
「きみは、僕の言葉がわかるのか?」
彼の問いかけに対して、私は再び首を縦に振る。
「人類を滅亡させるためにやったのかい?」彼が言う。
「あなたの願いを叶えるためよ」私は念じる。
「願い?」
彼が聞き返す。私の言葉はちゃんと聞こえているみたいだ。
「ソラと牛たちだけが暮らす孤島、〈幸福な孤島〉を作るために、私はメイを消したのよ」
その言葉をしっかりソラに伝えようと、私はじっと彼の目を見つめた。
〈了〉
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