運命?それとも…

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運命?それとも…

GWの遊園地は家族連れ、カップル、友達グループ、みんな思い思いに楽しんでいた。 「遊園地で楽しむには…相手もいないからなぁ…ハァ。」俺はそんな独り言を吐きながら現場の撤収作業を見守っていた。 俺は遊園地のキャラクターショー等を手掛ける仕事をしている。この業界には15年以上いるが飽きることが無いのは唯一の救いだ! 出会いが無い訳ではないが、なにぶんかれこれ4年近く彼女はいない。自分では「俺は仕事人間なんだ!」そう言い聞かせている。 「社長!A班の撤収完了しました!」従業員の発する報告が耳元のイヤホンから聞こえた… 「よし!今日は全班終了!終礼後解散!」そう伝えた俺は指揮本部へと向かって歩き始めた。その時、上着のポケットに入れていたスマホが元気な音楽で着信をしらせた… 「090-5xxx-xxxx」 「………」 「知らない番号だ…」 このスマホ社会になって情報がどこで流出するかわからない時代だ! 「登録してない番号だし無視だな!」 明日も早いことだ!さっさと帰って風呂でも入ろう… 現場には片道一時間かかる!自宅まで残り20分の所で、コンビニに寄り夕飯とお酒、ツマミを購入し、車に戻った。車内に置いたままにしていたスマホが明々と着信を知らせていた! 「また同じ番号か…イタズラにしちゃあまりにもしつこい!」 俺は何かを考えて、ハッキリと言ってやろうと思い電話に出た! 「もしもし?!」少し怪訝そうに言うと数秒の間があった後 「もっ…もしもし!夕方もかけたんですが、お忙しいところでしたよね?すみません…あー良かったぁー出てもらえて。」 「女性?ん?俺に用事がある…しかもこんな時間にかけてくる女性はいたかな?」 聞き覚えもあまり無く、新手のイタズラだと思って切ろうとした… 電話の向こうからやっとイタズラの主が名乗った。 「お久しぶりです!私を覚えてますか?」 「きっとカズさん忘れてるよね?」 俺の名前を知っている人と言うことはアドレスにも登録しているのに? 「ちょっと声だけじゃ思い出せなくて…すみません。」 「数ヶ月前にお会いした里香です!高見里香」 俺の脳天は一瞬強い稲妻に打たれたかのようだった…
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