流されるまま

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朝日くんに訳を聞こうと振り返ると、私の椅子の背もたれに腕を乗せ、身を乗り出した格好の整った横顔が至近距離にあった。 私は驚いて思わず体を避てしまった。 「一夜、これから美詞借りるけどいいか?」 言われたとおりモグモグと一生懸命マドレーヌを咀嚼している一夜くんが、よく分からないといった感じで頷く。 「朝日くんどういうこと? まだ一夜くんのお世話しなきゃなんだけど」 「少しくらいいいだろ」 なぜか妖艶な笑みで微笑みかけられ挙動不審になっていると、言ってる間に飯田さんは食べ終えた一夜くんを連れてオモチャ部屋へと向かって行ってしまった。 「とりあえず出よう」 「ちょ、どこに行くの!?」 聞いても朝日くんは答えてくれず、かわりにウインクをひとつ返されるだけだった。 訳も分からず車に乗せられ着いた先は、全女性が憧れる有名ハイブランド『エリース』の店内。 「音羽様、ようこそお越しくださいました」 恭しくお辞儀をし、店員さんは店内ではなくVIPルームへと私たちを通す。 部屋へ入るとそこには服や靴、バックやアクセサリーなどが並べられていた。
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