失せ物

「うぅ。ここは、蔵か。どうしてこんな所で寝ていたんだ？思い出せない。俺は何をしていたんだ？」

腕時計を見ると17時30分を指していた。

「ただいま」

幻覚か？
家へ入ると誰かの姿が見えた気がした。
見間違いだったと頭をふり家の中へ入っていく。
夕ご飯を作り食べてお風呂に入ると自室のベッドで眠りにつく。
起きると楽しそうな夢を見た気がした。
コーヒーを飲みながら、仕事を始める。

「あれ？」

これはここまでのはずだったが何故か進んでる？おかしいな。
と、この時は不思議に思うだけだった。

「終わった」

体を伸ばした事でポキポキと音が鳴る。
夕方でそろそろ電気をつけないと薄暗いその家は何処か冷たく感じた。今は夏なのにな。