俺は青春のさなか

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俺は青春のさなか

答えを出し切れないまま、改めて美梅ちゃんと(対峙するように)話し合う時間がやってきた。   俺は素直に謝罪する。 考えてきたすべてを話し、その上で、 「未熟者であるがゆえに必殺技の名前が決められなかった。これでは君を守れない」 と告げた。 すると美梅ちゃんは可笑しそうに肩を揺らす。 「そんなこと考えてたの? 十川くんてバカなの? いえ、ごめんなさい。聞くまでもなくバカよね」   くっ、情けない。俺はなんて不甲斐ないのか。 恋する姫君に罵られる騎士の気持ちは言葉にならない。こういうときに何と答えたらいいか、今まで習った先生たちは教えてくれなかったぞ。 だが、麗しの姫君はこんな無様な俺を見捨てやしなかった。 「それじゃ、一緒に考えましょ。私を守ってくれる必殺技だもんね。この一週間、私は十川くんの物語のヒロインだったわけだ。それだけですごく嬉しいよ」 と言って、 「では、契約成立の証として、告白してもらいましょうか。そういう約束だったよね。さあ、私に愛の言葉を囁きなさい」 高潔にして純潔な姫君らしく、あどけなくも美しい笑みを浮かべた。   俺は今、青春のさなかにある。   待っててね、美梅ちゃん。 必ず必殺技の名前を決めるからね! おわり
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