私が貴方を待つ理由

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私が消えた理由をお話ししようと 思う 人によっては、些細な事で 取るに足らない出来事かも しれない そんな理由だ。 私には、好きな人が居た。 一緒に居ると心があったかくなる 太陽みたいな人だ 誰にでも優しくて 分け隔て無くて 真面目で 私みたいな地味で暗めな 性格の女子にも積極的に声を掛けて くれる。 大好きだった。 だから 私は 一世一代の  勇気を振り絞ってその人に 告白した。 結果は、振られた.... 振られた理由は.... 「気持ちは、嬉しいけど君の事は 友達にしか思えない ごめん」 その事に私は 傷つき 悲しんだ 暫くして その人には恋人が出来た。 私は、それを知って ショックだった 振られたのは 分かっていた。 でも私は、未練がましく 諦め切れなくて 私には その人しか いないと思っていたから もうその人は 私には振り向いて くれない もうその人は 私の元には来てくれない.... そう 確信めいて思ってしまったら 私は、気が付いたら 学校の屋上に 登っていた。 フェンスを乗り越えて 何も無い空中に足を踏み出して 体を浮かせていた。 そこから先は、覚えていない 見ると私の体は、透けていて 向こう側がくっきりと見えた。 ああ....私は死んだんだ.... これは、幽霊って奴だ.... そう思った瞬間 私の口角は 上がっていた。 私は、透けた体であの人の様子を 見に行った。 学校の教室に壁を抜けて入った。 私のクラスの教室はまるでお通夜みたいな雰囲気だった。 私の席には、花瓶に入った花が 置かれていた。 皆クラス中がさめざめとしていた あの人が居ないかと私は、 あの人の席を見る。 あの人は、居た 唇を噛み締めて涙を流しそうになるのを スカートを握りしめて耐えていた。 私は、その悲しそうな顔を見て 笑ってしまった。 だって あの人が私の事を思って 泣いてくれている。 私の為に涙を流してくれている 私は不謹慎にも歓喜で胸が踊った。 私の好きな人 女子校の王子様 誰にでも優しくて 憧れの人 でも 私が同性だと言う理由で 私を振った人.... そんなの酷い そんなの私には どうしたって勝ち目が無いじゃ無い 私は 貴方が女でも男でも関係無く 好きなのに.... 私が同じ女だからって理由で.... 恋愛対象には、見れないなんて理由で 振られるなんて.... そんなのあんまりだ.... けれど今の私の姿を見て ふと思う これは チャンスなんじゃないかって 向こうには、私の姿は、 見えない あの人は、私が死んでしまって  自分の前から消えてしまった事を 悲しんでいる。 きっとこれからは もう 誰か他の人と居る時も 私の事に ふと 心を留めてくれるはず 心に引っ掛かってくれるはず 恋人と居る時も 家族と居る時も 他の友達と居る時だって.... 私の事が罪悪感になって心に留めて くれるはず.... だって優しい貴方は、私が自殺した 理由だって薄々気付いているのでしょう。 そして それを甘受出来る程 貴方の心は、図太く無い そうよね 人の為に一生懸命で 人の苦しみや悲しみに一緒に涙を 流す 貴方は、そう言う子 だからどうしたって私の事を 忘れる事は出来ない これから貴方の心に私は棲み着く 少しでも 欠片でも貴方の心に 私の影が残るならこんなに嬉しい事は 無い。 ねぇ もし私の事で耐えきれ無くなって 貴方がその身を一人で投げ出して しまっても 大丈夫 私だけは  貴方をちゃんと迎えに行ってあげる そうしたら今度こそ私達ずっと一緒だね その時が来るまで ずうっと待ってるよ!! 貴方を ずうっと見つめながら....
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