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1 ミュラー家
ドッカ王国の王都と辺境伯領都を繋ぐ街道沿いの丁度中間地点辺りで本道から山道へと逸れて限りなく山奥に進むと行き着く微妙な山間の村がミュラー家の領地だ。
大昔この辺りの土地を荒す魔物を封じた場所が近くにあるという噂もあるが、今では子供の為の寝物語だと云われている。
ミュラー領は正直に云うと、その小さな村落以外は山ばっかりで平地はほぼ見当たらない。
農産物と呼べる物はほぼ山の恵みであとは酪農が主。
しかもその酪農も荒れ地や急勾配の土地を平気で駆け上がり毒草にもえら~く強い山羊が主流で領地の特産品はその乳製品だ。
――余談だが牛は毒草を食べると意外と簡単にコロッと逝く――
この微妙な土地を治めるミュラー伯爵一家。
当主のダンカン・ミュラー伯爵52歳とその妻エリーナ夫人4◯歳。
現在28歳で嫡男のアルフレッドを筆頭に、22歳の長女アイラ、21歳の次女ノーマ、18歳の三女オリビアと四女ロザリー。
もう一人くらい男児をと望んだ両親の閨の『ファイトッ!』が実を結び子沢山な一家である。
――因みにオリビアとロザリーが同い年なのは一卵性双生児だから――
貧乏人の子沢山とはよく言うが、世の習い通りミュラー家は伯爵家とは名ばかりの貧乏貴族家。
これ以上は子を増やしてくれるなと10歳当時真面目な性格だったアルフレッドは決死の覚悟で両親を説得した。
「父上母上、これ以上は部屋も金も足りません。男児は諦めて下さい」
しかも夜半の夫婦の寝室に突入して――
「お、おう・・・分かった」
「あらぁ。ごめんねアルフレッド」
その甲斐あってかそれ以降は明るい家族計画が上手く行ったらしく7人家族で定着した。
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明るい家族計画
↓
昔、ある種の自販機に書かれていたキャッチコピー・・・(・∀・)b
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