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4 リリーベル嬢
リリーベル・ヘイワード侯爵令嬢。
この国の筆頭侯爵家の長女であり、第2王子サイラスの婚約者として有名だ。
×××
産まれる前からもし性別が女児なら当時は生後半年だったサイラスと婚約するようにと王家からの打診があり、見事に世に出た途端に婚約者にされてしまった少女である。
ヘイワード侯爵家はこの国の流通に関わる事業を全て牛耳っており、侯爵家の不興を買うとこの国では生きていけなくなるとまで言われる大貴族だ。
父親は貴族にありがちな契約結婚ではあったものの妻、要するにリリーベルの母親を大層愛しており、妻もそれに応じるように夫と仲睦まじく過ごす様は社交界のおしどり夫婦と呼ばれていたが、なかなか第2子に恵まれ無かった。
その為リリーベルはヘイワード侯爵家の後継の嫡女として教育を施されることとなったのだが、問題は彼女の婚約者だ。
第2王子サイラスは王太子のスペアとして教育を施されてきたものの、持って生まれた性格なのか、それとも出来の良い兄に対するコンプレックスなのか定かでは無いが小さな頃から少々乱暴者だと言われていた。
因みに第1王子は現在は20歳で王国法に則り妻を娶った時点で立太子している。
文武両道で人徳もあり諸外国の大使達からも非常に人気が高い人物で、幼少時から聡明として有名だった婚約者―― 現在の王太子妃とも仲睦まじく、将来は国王として玉座に据えられるのは確定している。
まぁ、そんな出来の良いのが実の兄だと多少は捻くれるのかも知れないが・・・
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