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スマホを見れば時刻は日付の変わった夜中の三時を示している。俺はコーヒーを飲み干して淳平を見れば、まるで怒られているかのように俯いている。
「今日は帰って寝ろ」
「いや、だって」
「聞けねーのか?なら勝手にしろ」
「はい…わかりました…」
コーヒーを飲んだ淳平はとぼとぼ帰ってゆき、俺も舌打ちしながら離れて後ろを歩いていればずっとため息をついている。
時々しゃがみこんでいて、周りの人々は何事かと視線は向けるが話しかける者は居なかった。そんなに離れていない家に帰るのに一時間だぞ何やってるんだこいつ…
鍵を開けて中へ入った瞬間背中を押して俺も中へ入れば、臨戦態勢を一瞬とったが俺だと気付いて拍子抜けした顔をしている。
「ま…ひろ…さん?え?夢?真尋さんは仕事してるからきっとこの真尋さんは夢なんだ」
俺が背を向けて鍵をかけていれば抱き上げられ、暴れてみても全く動じず寝室のベッドまで運ばれてしまう。下ろされて淳平もベッドに上がり、向き合うように抱きしめられ淳平は目を閉じすぐ寝息が聞こえてきた。
「早すぎだろ…嘘だろ?」
呆れてしまったが本当に熟睡してしまっていて、抜け出そうとしてもガッチリ捕まっていて逃げられない。しばらく抜け出そうとしてみたが全く効果がなく、淳平を見ていれば俺も眠くなってきて欠伸をして目を閉じて眠りについた。
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