42人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
「おい死ぬ気か」
「え？」
男の腕を掴めばギリギリをトラックが通りクラクションを鳴らして行った。俺よりも背も高く体格も良いがクリーム色の短めの髪に綺麗な翡翠色の瞳で、ピアスもしているどこか可愛らしさもある男は泣き腫らしたかのように目の周りが腫れぼったい。
「あ、俺…」
走り去ったトラックを見てから俯いてしまい、舌打ちをして腕を掴んで近くの公園へ行きベンチに座らせコーヒーを自販機で買って来てやり投げれば受け取ってまた俯いた。
「じゃ」
「え！？話聞いてくれる流れじゃ無いんですか！？」
「っるせーよ俺も暇じゃねー」
片手をひらと上げて歩き出そうとすれば慌てて立ち上がられ、イラッとしながらも隣に座ってやればまた俯いてまた座った。
「俺彼女にフラれたんです。他に好きな人が出来たとかなら…まぁ…嫌ですけど我慢します。でも、でも同棲してた家で他の男と寝てて、俺が遊びだったなんて酷くないですか！？」
「知らねーし興味湧かねぇ…」
「はぁ…帰る場所無くなっちゃった…」
煙草に火をつけて吸い始めれば、じーっと見られて居る事に気付いた。視線を逸らし息を吐いていれば男は立ち上がり俺の目の前に立つ。
「俺何でもしますから泊めてください！！」
「言ったな？」
俺は立ち上がりそのまま煙草を咥えたまま歩き出し、男はコーヒーをポケットにしまい俺の後ろを着いて歩いた。
最初のコメントを投稿しよう！