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「俺短い間でしたが真尋さんと居られて幸せでした」
「あ?」
諦めたような自嘲じみた笑みを浮かべていて、ギュッと目を閉じ上を向いていれば徐々に猛りは萎えてゆき俯いてまた深いため息をついた。
「お世話になりま」
最後まで言う前に胸ぐらを掴めばこちらを見たので、そのまま思い切り殴った。
「うぇぇええ!?本当に殴っ」
「っるせーよ。言ったろ殴るって」
「言いましたけど!言いましたけど今殴る流れじゃ無かったですよね!?」
頬を抑えながら俺を見てくるが、俺がまた拳を上げればギュッと目を閉じて構えている。そのまま唇を軽く重ねてやればカッと目が見開かれた。
「いいいいぃ…今のって!!?」
「さぁ?知らねぇな」
笑みを浮かべてやれば強く抱きしめられ、身体中の骨が粉々にされるかと思った。とりあえずあと数発殴ればスッキリするかもしれないなと思いながら、背中をつねってやれば慌てて離れた。
「ここは淳平♡って背中に手を回してくれるシーンじゃ…」
「相変わらず脳みそスライム野郎かテメェ…強姦魔相手に擦り寄るなんざ尻軽くらいだろ」
煙草を探したが見当たらず、舌打ちすればすかさず淳平が取り出したので咥えればライターで火をつけてくれた。とりあえず…掻き出す事から始めるかな。
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