幕間2 ジークフリートの選択

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幕間2 ジークフリートの選択

 ジークフリートは、新しい時代が来て変わりつつある王国の危機を顧みずに遊びまわっている母で王妃のヘルミネを嫌っているばかりか、母と祖母ドロテアの間で右往左往する父王フレデリックにも呆れている。だからジークフリートは、国の危機を救うべくなるべく早く即位して実権を握ろうと努力しており、彼の侍従ルプレヒトもそれを知って協力している。  王太后ドロテアは、まだフレデリックやヘルミネよりはましだが、彼女は権威主義過ぎて新しい時代に対応できていない。それにもう高齢でジークフリートが成人して実権を持てるまで後ろ盾になれるか分からない。ドロテアの推す令嬢を妃に選べば、ドロテアの死後は後ろ盾がなくなってしまうだろう。  だが、ジークフリートは最後に残った2人の候補者から、ドロテアの推薦するアマーリエ・フォン・オルデンブルク公爵令嬢を選んだ。残りの1人は、ヘルミネが推していた令嬢フリーデリケだ。
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