7.王家の諜報部隊

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7.王家の諜報部隊

 ジークフリートがオルデンブルク公爵家に来るのは、アマーリエの見舞いのためだけではない。公爵が在宅中の場合、見舞いの前後に彼と話し込む。  その日もジークフリートは、アマーリエの見舞いの後に人払いをして公爵と話していた。もう何回も同じお願いをしたが、公爵が突っぱねているのだ。 「私を諜報部隊の一員にして下さい」 「殿下もご存知でしょう。王室の方々は諜報員にはなれません」 「王家の者が諜報員として働けないという明確な規則があるわけではないだろう?」 「そうだとしても殿下は陛下の唯一の王子。ご存知のように諜報部隊には危険な任務もありますし、ターゲットと情報収集することもあります。」 「私だって閨教育はもう受けた」 「王家の血をばら撒くようなことがあれば、後々争いになります。それに私もいくら任務だとしても、父として娘の夫となる殿下に他の女性と関係を持つように勧めたくはありません」 「公爵は仕事に私情を挟まないと思っていたが、そうでもないのだな。私だって妻となるアマーリエと以外の女性と関係を積極的に持ちたいわけではない。その辺はうまくやって最後までやらないようにするよ」 「そうもうまくいかないのが現実です」 「そうだとしても避妊は徹底するし、アマーリエと父上達には絶対に内緒にする」 「私どもは王家の諜報部隊です。国王陛下の意思の下に動いております。国王陛下が反対することをわかっていて殿下をこっそり隊員にするわけには参りません」
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