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9.王妃教育
アマーリエは、本来なら婚約直後から王宮で王妃教育を受け始める予定だったのに、婚約してから半年間に何度も危険な目に遭ったのでまだ王妃教育は始まっていなかった。
事故から数ヶ月後、アマーリエには骨折した左腕と左肩をあまりうまく動かせない後遺症が残ってしまった。ヘルミネはドロテアに推薦されたアマーリエが気に入らず、後遺症を理由に息子の婚約者から引きずり降ろそうとしたが、ジークフリート本人とドロテア、オルデンブルク公爵の連携に阻止されて週に3回王宮での王妃教育がようやく始まることになった。
アマーリエは優秀だった。それもそうだ。18歳の女子大生アメリーの記憶があるのだ。でも倫理と宗教、マナーの座学だけは駄目だった。
倫理はアメリーの生きていた現代と価値観が違うし、現代の女子大生のアメリーは学校で宗教を教わったけど、信心深いとは到底言えない。大抵の若者同様、教会に行くために日曜日にわざわざ早起きするよりは惰眠を貪るほうが好きだった。
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