11.高級娼館

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「……分かった。お互い正直にいこうじゃないか」 「何をお知りになりたいのですか?」 「革命派の動向だ。ソヌス王国から革命派が我が国に浸透してきている。最近では我が国の貴族の中にも通じている者がいるようだ。君の顧客にもいるだろう?」 「秘密厳守ですので、他の方の話は致しません。私はどちらの味方でもなく、求められる情報を探って渡すだけです」 「では君の顧客かどうか関係なく、王宮に出入りする貴族で革命派に通じている者を洗い出してくれ」 「いいでしょう。報酬の条件は?」  ジークフリートは、テーブルの上に金貨を数枚置いた。カトリンは明らかに馬鹿にされたように感じて眉間に皺を寄せた。 「これは前報酬だ。成功報酬は金貨20枚、革命派の名前1名分につき2枚ずつ増やそう」  金貨1枚あれば中流市民が家族で1ヶ月暮らせる額だ。ジークフリートの提示した条件は悪くない。カトリンは話を聞く気になった。 「名前が分かったら動向調査も頼む。それはまたその時に詳しく話すが、報酬も別に出す」 「いいでしょう。それじゃ話はそれまでにして3人で遊んでいく? 本当は3人でのプレイも大丈夫なのよ。今日だけ特別に内緒で14歳も許してあげるわ。でも次回からは殿下が15歳になるまではアレックス君だけにしてね」 「け、結構です!」  2人はそそくさとカトリンの部屋を立ち去った。
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