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18.夜会の報告
ジルヴィアと知り合いの令嬢達がジークフリートと夜会で踊った晩、アマーリエは自室でジルヴィアの帰りを待っていた。いつもなら瞼が落ちてしまっている時間だが、ジルヴィアの報告をわくわくして待っているので、眠たくない。ノックが聞こえてすぐにアマーリエは、扉の所まで飛んで行った。
「ジルヴィア! どうだった?」
「あのパオラとかいう女が殿下にくっついてましたよ。でも引き剥がして殿下には私と知り合いのご令嬢5人と連続して踊ってもらいました」
「ジルヴィアを入れたら6人連続?! わざと意地悪したの?酷い」
「そのぐらいの罰を受けても当たり前でしょう」
ジルヴィアはツンとしたすまし顔でそう答えた。
「ねえ、ジルヴィア。それより殿下とパオラさんの関係は何なの?」
「浮気でも何でもないけど、理由はまだ言えない、でも信じてほしい、だそうです。その前に色々噂になっていたのも同じく本当は浮気ではないけど、理由はまだ言えないと言っていました」
「ふーん……どうして理由を言えないんだろう?」
「私も聞いていないですから、推測の限りですけど、王国のためではないでしょうか」
「女の人と色々するのが王国のため?」
ジルヴィアはアマーリエに悪いと思いつつも、吹き出してしまった。
「笑うなんて酷いよ、ジルヴィア」
「申し訳ありません。焼きもちを妬くお嬢様がかわいらしくて…」
「子供扱いしないで! 焼きもちなんて妬いてない!」
「それが焼きもちなんですよ。でもお嬢様はまだ子供です。子供時代は二度と返ってきません。たっぷり楽しんで下さい。私はもっと遊べばよかったってちょっと後悔しているんですよ」
「遊ぶって……王妃教育の勉強もしなきゃいけないし、そんな時間ない。それに私はもう13歳、そんなに小さい子じゃないよ」
「今が一番小さいんですよ。さあ、お話はこのぐらいにして今夜はもう寝て下さい。たっぷり寝て明日いっぱい遊んで下さいね。おやすみなさい」
ぷーっと頬を膨らませたアマーリエは、部屋を出て行くジルヴィアを見送って寝台に入った。
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