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2人はお互いの腕を背中に回した。顔も自然と近づいていき、唇が重なった。ルイトポルトは、ガラス扉の前から険しい表情で2人を凝視した。
ジークフリートは、アーデルグンデの唇から自分のそれを離す時、哀れなパオラを思い出して胸がチクリと痛んだが、すぐに思い直した。パオラに1度も唇にキスをしてあげなかったのは、彼女はアーデルグンデと違って思慮深くなく、すぐに調子に乗るタイプの人間だったからだ。もっともだからこそ騙しやすかったのは確かではある。
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