滅法野郎

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ロックダウンと言う都市封鎖。それはパンデミック然り、猟奇的な惨状を逆手に取った国際法の在り方である。「ゴホッゴホッ…レフィル…歩くの早いな。」ヒルレンはすっかり縮み、5尺強程になった。ぶっちゃけもうヒルレンは大丈夫だと、俺なりに考えていた。「尻を叩かれてから、少しずつ歩く速度が遅くなったよ…レフィル…人のお尻は叩くなよな。」ヒルレンはロックダウンされた侭の歩冠にて、やはり、歩く速さを気にしていた。「しかし、静かな国ばかりだな。」俺はここ最近の我が摂理を思い起こしていた。「あっははっ!静かなもんか?!レフィル…僕を嘲笑う声が聞こえないのか?」高層ビルが立ち並ぶ、街道にも人気はない…まさか…。「裏返りか?」俺は惨状を事前には知らない。つまり、切無し化現象に苛まれたと言う訳だ。「活気のある街並み…でないと、開発ばかりが先行しているみたいだね。人がまったくいない。」ヒルレンは塞ぎ、俺は確かな検知で歩冠が異常であると確信していた。「いや…人が一気に死に過ぎてるな。心が貧しいと現実は見えない…。」この無人の封鎖都市が、己の心の貧しさを物語っているとは、些か信じ難いものがあった。「人の悼みが見えないと言うことか?!レフィル…この街はロックダウン中だよな!あっ!?あれれ…どうして…誰一人いないんだ?…はぁ…。」ヒルレンはことの甚大さに気付くなり、挙動不審となって、踞ってしまったのだった。
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