滅法野郎

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自信があるにしても、結果がすべてと言う風に言葉には限界がある。裏目が利潤に化けたとて、元の木阿弥。駄目だったものが利潤に化けたまでであり、駄目なものは駄目なのだ。パンデミックで人々が狂気に陥り、歩冠はロックダウンしている筈だ。俺はまだ強気でいる。これ以上の最善策はないのだろう。火の中に飛び込む前に水を被る様なものだろう。「誰一人いないのは頭や目。大脳皮質が追い付いていないからだ。屍体の山が腐る程あるべきだろう?なぁ…ヒルレン。鬱で仕方ないよな。」俺は踞り、塞ぎ込むヒルレンを励ました。「確かに…平和過ぎる気はしますよ。ロックダウンって、平和過ぎるんですって…。」ヒルレンは悲観さより、躁がしいのか。声が上擦り、引き攣っていた。「よしっ!時空に裂け目を付けよう!!」俺は超神速で斬撃を差し引きし、時空に裂け目を付けた。時空の裂け目は靭性を持ち、呼吸でもするかの様に、蠢爾していた。
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