第一章 地獄って、信じる?

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「ただいまぁ」  買いものバッグをキッチンのテーブルに置くと、みんなが群がった。 「早く、アイス!」 「わーい、いちごみるくのアメだ」  その様子をほほえましく見ていると、 「愛茉っち、カレールーは?」 「あっ!」 「まさか忘れたとか、言わないよね?」 「えへへ、そのまさかで......。あーん、ごめんなさい!」 「愛茉、忘れすぎだろ!」 「もう一回、行ってくる!」  私は三度目の買いものへと出かけるはめになった。 「いっただきまーす!」  みんなで、できたての野菜カレーをほおばる。 「おいしー!」 「色葉ちゃん、ありがとう。すごくおいしいよ」 「俺もいっしょに作ったんだけど?」 「そうだよね、大ちゃんもありがとう」  私がフォローすると、色葉ちゃんがチラリと大ちゃんを見た。 「大翔は米とぎしただけでしょ。炊いたのは炊飯器だし」 「なんだって!?」 「まあまあ、二人ともありがとう」  やっぱりみんなでワイワイしながら食べるのっていいよね。
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