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「目がニンマリしすぎて逆に怖いぞ。そんなに気を使わなくていい」
「いえ、あのー…」
(…あら、失敗)
マリネラは自分を小突きたい気分だった。
「ところでマリネラ嬢は、ダンスは踊られないのか」
「えっ、まあ、相手がおりませんので」
するとアルバートは、すっと真顔になりマリネラの前にひざまずいた。
「アルバート様?おやめください!私のような者に、そのような」
慌てるマリネラの反応など気にせず、アルバートはマリネラに手をのばした。
「マリネラ嬢、俺と踊ってくれないか」
「は?」
予想外の言葉をかけられ、マリネラはまた固まる。
アルバートはまっすぐにマリネラを見つめた。全く動じる様子がない。
その様子は品のある王子様そのものに見えて、こういう所に育ちの良さが出るのだなぁとマリネラは感心していた。
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