第2章 出会い

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またも不可解な事に気付く。 起き上がった上半身を支える為に、俺は左手のひらを地面につけていた。 その左手首は既に痛みは全くない状態で、確認の為に強く曲げたり押さえたりもしたけど、過去の激痛は感じられなかった。 正常な左手首に疑問を抱きつつ俺は立ち上がり、そして恐る恐る歩き始めた...... 10年前に母さんから聞いた話は真実で、本当に虫一匹すら見付ける事は出来なかった。 セミの鳴き声も耳には入らず、信じ難いがまさにここは別世界だ。 そんなもう一つの世界を、俺はひたすら歩いた......
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