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学校に居たいのに、長く居させてくれない。私はランドセルを背負い、話しかけてきたクラスメートと帰ることにした。
「きみって言うのはあれだから」
「私は、深緑。名前なんて教えない」
クラス替えしたとき自己紹介したじゃないかと内心で思ったけれど、いつか誰かを消す約束を交わした悪友に名前なんて名乗る必要なんてないんだと気づく。
「私は、吐夢」
書き殴ったあの人がいつか改心してくれる儚い夢を見ては、ため息ばかりついているから、そんな偽名が浮かんだんだ。
「吐夢、生きろ」
「深緑も」
私たちは握りこぶしを合わせて笑い合う。そして私はツラい家へと帰っていく。
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