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エピローグ
その頃、竹の内部でブツブツと文句を言っている小さなおじいさんがいた。
わしらはバンブー人。月に秘密基地を持ち、とある植物を媒介にして惑星間をワープして宇宙を渡り歩く民族だ。ただし、ワープした後、訪れた惑星の民族たちにその存在を見つけてもらわなければ外界に出ることができない。それなのに…。ああ、それなのに…。
「なんじゃい、アイツは!」
わしを閉じ込めおって。これから姫に会わねばならないというのに困ったものだ。
「はあ〜っ、悩ましい」
まあ、わしの煌々と照らすこの頭があれば必ずやこの惑星の民族が見つけてくれるはず。ピカーッ。
おじいさんのツルツルな頭は、より一層輝きが強くなった。
「姫、お待ちくだされ!」
…と言っても、わしにできることは何もない。さて、暇になってしまったぞ。姫に会わないと任務が進まない。そうだ。ここはひと眠りして待つとしよう。
こうして、KAGUYAのナナを迎えに来た使者はトタンの遮光によって誰にも見つからないことも知らず、竹の中で27年の眠りにつくのであった。
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