I,m arive.

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「いらっしゃいませー」  仕事帰りにいつものように銭湯へと向かった。相も変わらず店員のおっさんはやる気がなさそうで極まりない。――だがそれでも券売機で入浴券を買って、手渡して俺は入室した。  ここの銭湯は普段から通っている。夜勤が終わった後や、仕事終わりの21時過ぎを回ってここに来ることも多い。家にも風呂はあるが、やはり疲労が溜まっている時には銭湯へ行って休憩しながら入るのが格別に良いのだ。  脱衣室で臭い靴下や下着を脱いで嫌悪感があったが、引き戸を開ければ別世界。温かい湯気が立ち込められ、ヨモギのようなスンとした匂いもした。  今日の日替わり風呂はヨモギ湯らしい。俺は顔を綻ばせてシャワーのある椅子に座り込み、べとついた頭と体を洗っていく。  ――風呂場にあるシャンプーやボディソープはきしきしとしているが、気にも留めずに全身の隅々まで奇麗にして……風呂場へと向かった。――さぁ、入るぞ。
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