じゃばらさん

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 現代では、そんな風習だけが形式的に残っただけの、ただの『お祭り』ですよ。  ── さて ──  そうでしょうか?  ねぇ? 幸子さん。  ご主人は貴方やお母さんに愛想を尽かして、突然蒸発されましたか? それとも、どこかの国の諜報員か何かでしたか? ─ それとも、じゃばらさんに呑まれちゃいましたか? ─  神様は人なんて食べませんよ? 失礼な。  人間なんてどうにでもできるんですから、食べたきゃ選ばせたり、差し出させたりさせずに、自分で管理して勝手に食べればいい。  道理が通らない。意味がわからない。  蛇腹様は恐らく『もうそんな物はいらないよ。てか、俺最初からそんなの欲しくないよ』って言ってますよ? もう、やめにしときなよーって。  まぁ、全部、飽くまで僕の空想の話。誰にも言いません。頭おかしいと思われるし。  あ、僕も、蛇腹様に呑ませますか? 信二くん?  ま、こんなの呑んだら、蛇腹様がお腹壊しちゃいますけどね。
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