特別

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なんか色々なことがあってうっかり忘れそうになったけど、来月は神田の誕生日なのだ。 しかも、クリスマスの日。 この場合は、プレゼント二個の方がいいのかそもそも何をあげればいいのかと悩みまくっている。 「なぁ伏見ー」 「どうした?」 「プレゼントってなにが喜ばれるんだろ」 「クリスマスのか?」 「まぁそんなとこ!」 「いぶりがっこ」 「そりゃお前の好みな!別に伏見にあげるわけじゃないし!」 地味にしょんぼりしていて、悪いことした気分になった。だって漬物はさすがに色気がない。 「ねぇ神田くんって最近よく話してくれるよね」 近くで神田の話題が出ていて、聞き耳を立てる。 「それ思った!前は近寄りがたかったけど、今は普通に話してくれるしなんなら笑いかけてくれる!」 確かにそうだ。 最近はもう伏見とかには心開いてるっぽいし、周りの人とも自分からよく話すようになった。良い方向に変わっていくのを見ているのは嬉しい。 「てゆーかやっぱイケメン!」 その言葉にピクっと眉間が動く。 「遠くから見ても美形なのは分かってたけどね。近くで見たらレベル違う。なんなのあの綺麗さ!」 「整ってるのはもちろんだけど、なんか色気あるよね〜」 急になんだ神田の話題でこんなに盛り上がるものなのか。俺は動揺と同時に少し苛立っていた。だって、かっこいいのなんて俺が一番知ってる。そう思って、勝手に嫉妬してしまった。 「河井。パックとジュースが泣いてる」 「え?あー!やらかした!」 無意識のうちに飲んでいたパックジュースを握りしめていて、中身が溢れていた。 「なーにしてんの。ドジっ子ちゃん」 溢したジュースをティッシュに吸い込ませていると、神田がこっちに来た。さっきまでの反射でちらっと女子の方を見ると、案の定神田を見ていた。 「ド、ドジっ子じゃないし……」 「ふふん。かわいい」 な、な、なんなんだこいつは。 ふふん。ってなんだ。神田の方がよっぽどじゃないか。なんでこんなあざといことしてくるんだ。
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