変化

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開いたドアの先にいたのは神田だった。 「な、なんでここが……ストーカーか!」 「おー。似合ってんね」 嫌な笑みを浮かべながら距離を詰めてくる神田。すぐにからかってこないけど何か嫌な予感がする。 「女みたい」 近づくなと威嚇したが、効果なし。 異様に近寄ってくるから何かと思ったら、服を触ってきた。 「バ、バカ!どこ触ってんだ」 「ウエストぶかぶか。ほっそ」 そう言って腰の辺りに手を滑らせてきたが、手つきが柔らかくて力が抜ける。 「んっ……」 無意識に出たその声に自分でもびっくりした。 たったこれだけの事で感じているみたいで、自分が恥ずかしくなる。 「きもちかった?」 「ちが……神田が……変な触り方するから。びっくりしただけで……」 神田は、うっすらと不敵な笑みを浮かべた。 また目を奪われる。 気づいた時には、押し倒されていた。 スカートの上から太腿の裏を刺激される。 服を脱がされそうになり、やっと正気に戻った。 「な、なに勝手にっ……脱がそうとしてんだよ」 「そういう流れだっただろ」 「流れでこういう事するなバカっ!!!」 神田を退かしてすかさず立ち上がり、服を整える前に教室を飛び出した。 ありえない。 本当にありえない。 いくらなんでもやりすぎだ。 あんな最低な事されたのに 嫌だと思わなかった俺が、一番ありえない。
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