本音

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本音

頭が混乱している間に文化祭は終わった。 それからの俺は神田を避けまくっている。 嫌いになったとか話したくないとかそういう訳ではないけど、今は距離を置かないとダメな気がしてしまった。自分の中の神田に対するよく分からない気持ちを整理するためにも。 そんな中、席替えをすることになった。 正直丁度よかった。神田と席が離れる。 そう思っていたら、まさかの隣の席になってしまった。まずいと思っていると神田が大声を出した。 「センセー。伏見の頭でかくて黒板見えないから交換していいすか」 「え。それは酷くないか」 「それもそうだな。いいぞー」 「先生?」 そう言って、神田は一番後ろから一番前の席に移動した。いや神田が前でも見ずらいけどな。 なんてツッコミは建前で、多分俺が嫌な顔したからあんなこと言い出したんだ。 距離置くとかじゃダメだ。 迷惑かけることになる。 ちゃんと、俺の気持ちを言わないと。 そんな決心をしたのはいいが、今まで避け続けていたのにいきなりどうやって話しかければいいかも分からないで悶々としていた。 そんな時、ふと思いついた。
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