親愛

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何もかもどうでもいい。 そんな日々の中で、あの日以来初めて人を殴った。 急に助けてって言われて来たけど、暴力で解決とかしょうもないことしたんだし、きっと怖がって逃げるんだろうなと思っていた。 でも、ゴミに埋もれて肩を震わしていた随分と華奢な男は、見るからにビビっているくせにゴミだらけの姿でありがとうと言ってきた。 それに俺の小さな切り傷に大袈裟に反応して、強引に絆創膏を手渡して逃げるように去って行った。 普通に変な奴だった。 でも俺はそれが嬉しかったのか、まとも会話をしていなかった寂しさからなのかなぜか心に残った。 家に帰って同じ学校の制服だったと気づいた時、俺の中で何かが動きだした。 そんなつもりなかっただろうけど、変わるきっかけをくれた河井誉は、ずっと俺のヒーローであり続けてくれる一番大切な存在。
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